アカデミー賞5回ノミネート、ゴールデングローブ賞2回受賞、英国アカデミー賞2回受賞、ベルリン国際映画祭 銀熊賞2回受賞のリチャード・リンクレイター監督の待望の最新作『ヒットマン』より、グレン・パウエル扮するゲイリー・ジョンソンが偽のヒットマンに扮した七変化画像とキャラクターが作られる過程を映したメイキング映像が解禁された。
本作のモデルとなったゲイリー・ジョンソンは、地方検事局で働きながら講師として地元のコミュニティカレッジで心理学などを教えていた。1990年頃から偽の殺し屋として警察に協力しはじめ70人以上を逮捕に導いたスゴ腕潜入捜査官。劇中でもさまざまな個性的なヒットマンに扮しているのだが、このキャラクター作りは主にグレン、ヘアメイク担当のタラ・クーパー、そして衣装担当ジュリアナ・ホフパワーによる壮大な共同作業によって作られた。当初は20人ほどのキャラクターが作られたという。
グレンは、「クレイジーなプロセスだった。人を殺したいと思う依頼人に対してゲイリーがどうペルソナを被るかは、依頼人が何を求めているかによって変わる。依頼人が少年の場合、ヒットマンのキャラクターは屈強そうなSFから出てきたアクションヒーローのようにした。ヒットマンたちの人格は直前までリック(リンクレイター監督)には見せなかった。ヘアメイクのテストも見せなかった。だから毎回、私がヒットマン姿で控え室から出て行く時はいつも楽しかった。色々なキャラクターを噛み砕き、カメレオンのようでなければならない。こういうキャラクターを演じるのはプレッシャーもあるけど、俳優にとっての夢でもある」とそのプロセスを語る。さらに、映像では「ゲイリー・ジョンソンが使いうるレベルのリアルで違和感のない道具やテクニックを考える必要があった」と拘りを教えてくれた。さまざまなキャラクターの特徴や、話し方、趣味・嗜好まで詳細なペルソナが準備された。
たとえばグレンが演じた殺し屋の一人、ディーンというキャラクターは、赤毛にそばかす。眉毛がなくて、歯並びがおかしい。ソシオパスの連続殺人鬼で、悪夢のようなキャラクターという設定が作れられた。眉毛や歯並び、瞼、髪型、など少しの変化で顔の印象がガラッと変わる。解禁された映像と写真を見ると全てが同じ人とは思えないクオリティの高さとグレンの演技力に脱帽させられる。そしてそのすべての作業が心から楽しんで遂行されたことが伺える映像となっている。リンクレイターは「私たちはゲイリーの変装に全力を注いだ。グレンとタラは少し楽しみすぎたかもしれないが、とても楽しかった。私はこの二人を称賛したい。」と賛辞を送っている。
■『ヒットマン』偽の殺し屋ができるまでメイキング動画
軽快なテンポで、ノワール、ロマンス、スリラー、アクション、コメディの要素が詰まったリンクレイターワールドの集大成ともいうべきエンターテイメント作品、公開まであと2ヶ月この映像を見て楽しみに待ってほしい。
9月13日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー