皇帝ペンギン
(C)jerome maison/bonne pioche
南極の冬の始まりには、ほとんどの生き物が北に向けて移動を開始する。しかし、皇帝ペンギンはここに留まり、南への旅を始める。自分が生まれた場所オアモックに向けて出発するのだ。北側を島々、南側を大陸の断断崖に囲まれたその地は、数百メートルにわたってアイスバーグが続き、外敵すら容易に近づくことはできない。南極の中で唯一、皇帝ペンギンが安心して子供を産み、育てられる場所なのだ。20日あまりの行進の末、オアモックに辿り着いたペンギンたちは、何千羽といる群れの中から、その年、唯一の結婚相手を選ぶために、求愛の儀式を始める。自分をアピールするための挑発的な泣き声と官能的なポーズが、群れのあちらこちらで繰り広げられる。そして5月の終わり、ようやく愛の結晶が産み落とされる。産卵を終えたメス達は、それぞれのパートナーに大切な卵を託すと、これから生まれる雛と自分の命の糧を求めて、再び100キロ近く離れた海へと旅立ってゆく。その間、卵を託されたオスたちは、120日間に及ぶ絶食と、時速250km以上の激しいブリザードに身をさらされながら、ひたすら我が子の命を守り続ける。
- 公開日
- 2005年7月23日(土)
- 監督
- リュック・ジャケ
- 音楽
- エミリー・シモン
- 出演
- (ドキュメンタリー)
- 製作年
- 2005
- 製作国
- 仏
- 原題
- THE EMPEROR'S JOURNEY
- 上映時間
- 80
- INTRODUCTION
- 2005年1月26日、フランスで公開され『WATARIDORI』『ディープ・ブルー』の大きく上回る大ヒットを記録。フランス全土に感動の嵐を巻き起こした。皇帝ペンギンたちが、親から子へと命を繋いでいく営みを感動的に描いた、壮大なドラマである。監督を務めたのは、動物行動学の研究者であり、主に南極を舞台にした数々の科学ドキュメンタリーを手がけているリュック・ジャケ。ポール・エミール・ヴィクトール。8880時間分のフィルムをまわし、皇帝ペンギンたちの愛らしくも威厳に満ちた姿を、余すことなくカメラにおさめた。これだけ一度に多くの彼らを間近で捕らえた映像は、生物学的にみても大変貴重な映像といえる。作品の感動を高めるナレーションを担当しているのは『伴奏者』のロマーヌ・ボーランジェ、『リディキュール』のシャルル・ベルリング『ぼくセザール10歳半1m39cm』のジュール・シトリュックというフランス映画界を代表する顔ぶれ。音楽は、フランスで活躍するエミリー・シモンが担当。生の喜びが弾け出るような印象的なテーマ曲となって、物語を大いに盛り上げている。
- STORY
- 南極の冬の始まりには、ほとんどの生き物が北に向けて移動を開始する。しかし、皇帝ペンギンはここに留まり、南への旅を始める。自分が生まれた場所オアモックに向けて出発するのだ。北側を島々、南側を大陸の断断崖に囲まれたその地は、数百メートルにわたってアイスバーグが続き、外敵すら容易に近づくことはできない。南極の中で唯一、皇帝ペンギンが安心して子供を産み、育てられる場所なのだ。20日あまりの行進の末、オアモックに辿り着いたペンギンたちは、何千羽といる群れの中から、その年、唯一の結婚相手を選ぶために、求愛の儀式を始める。自分をアピールするための挑発的な泣き声と官能的なポーズが、群れのあちらこちらで繰り広げられる…。そして5月の終わり、ようやく愛の結晶が産み落とされる。産卵を終えたメス達は、それぞれのパートナーに大切な卵を託すと、これから生まれる雛と自分の命の糧を求めて、再び100キロ近く離れた海へと旅立ってゆく。その間、卵を託されたオスたちは、120日間に及ぶ絶食と、時速250km以上の激しいブリザードに身をさらされながら、ひたすら我が子の命を守り続ける。
- CASTING
- ●ロマーヌ・ボーランジェ 父は、俳優のリシャール・ボーランジェ。父と共演した『神風』(86)で映画デビュー。舞台「テンペスト」に出演し、好演を認められ、『野性の夜に』(92)のヒロイン役を獲得。セザール賞の新人女優賞をはじめとする数々の賞を受賞した。主な出演作は、『伴奏者』(92)、『ミナ』(93)、『太陽と月に背いて』(95)、『アパートメント』(95)、『恋人たちのポートレート』(96)、『シューティング・スター』(97)、『ヴィゴ』(98)、『レンブラントへの贈り物』(99)、『キング・イズ・アライヴ』(00)、『リトル・トム』(01)などがある。 ●シャルル・ベルリング 90年に「ママと娼婦」の舞台版で注目を集めた。94年パスカル・フェラン監督の『死者とのちょっとした取引』に出演して、セザール賞新人男優賞にノミネート。パトリス・ルコント監督の『リディキュール』(95)では、同賞の主演男優賞候補になった。主な出演作は『とまどい』(95)、『ラブetc.』(96)、『ドライ・クリーニング』(97)、『倦怠』(98)、『愛する者よ、列車に乗れ』(98)、『しあわせの選択』(00)、『趣味の問題』(00)、『チャイルド・ゲーム』(01)、『DEMONLOVER』(02)、『スパイ・バウンド』(04)などがある。 ●ジュール・シトリュック 3歳から子役CMなどに出演。8歳でTV映画デビューしたのち、翌年「家なき子」のミニ・シリーズで主人公のレミを演じ、注目を集めた。02年『バティニョールおじさん』に主演して映画デビュー。『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』(03)に出演。
- 映倫
- 99
- 配給会社
- 20世紀フォックス映画