共喰い
(C)⽥中慎弥/集英社・2013『共喰い』製作委員会
昭和63年。高校2年生の遠馬は、父とその愛人・琴子と川辺の町に暮らしている。川を隔てて、魚屋を営む産みの母親・仁子の元に時々でかけては、川で釣った魚をさばいてもらっていた。遠馬は日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることに恐れを感じていた。幼なじみの千種と覚えたばかりの性交にのめりこんでいくが、ある日父と同じ暴力的なセックスを欲してしまいケンカをする。一方、台風が近づき、町が水にのまれる中、琴子は父との子を身ごもったまま逃げるように家を出ていく。怒った父は、琴子を探しまわるが、途中通りがかった神社で仲直りをしようと遠馬を待つ千種をみつけるのだった…。